医療費無料化と窓口払い廃止、否決

越生町では4月から実施!

08/06/26

 坂戸市の6月定例議会に、新日本婦人の会坂戸支部から、「子ども医療費無料制度の助成対象を中学校卒業まで拡大し、窓口払いを廃止することを求める請願書」が提出されていました。

 日本共産党は4月に行なわれた市議会議員選挙の公約とし、公明党の高野宣子議員も公約に掲げ、伊利仁市長も市長選挙のマニフェストに「拡大」することを掲げており、新しい市議会で可決されるものと期待していました。

本会議でも否決、水村議員が反対討論

 ところが6月3日(火)の市民福祉常任委員会(加藤則夫委員長)に引き続き、6月17日(火)の本議会でも日本共産党(4名)と社民党、民主党、無所属議員各1名が賛成しましたが、公明党、市成会、緑政会等(議員名別記)の反対多数により否決されました。

 反対討論(水村義篤議員)では、「趣旨は理解するが財政的に厳しい」と反対理由を述べています。しかし、請願者も「財政問題を無視してすぐ実施せよ」との立場ではないのです。

議員は自らの公約をなぜ守らないのか?

 この請願は、市民の切実な要望であり、反対した公明党や保守会派は、市長のマニフェストにも反対することになるのではないでしょうか。まったく理解できず、市民にどのように説明するのでしょうか。

紹介議員のあらい議員が「的を得た請願」と賛成討論

 請願を審議した市民福祉常任委員会では、請願の紹介議員であるあらい文雄議員は、賛成を求めて奮闘し、6月17日の本議会でも賛成討論を行ないました。

 本議会を傍聴した市民の方からは、「議員は公約をどのように思っているのか。自分の公約と、市民の請願が同じ趣旨なのにどうして反対するのか、まったく理解できません」等々、怒りの声が聞かれました。

賛成した議員(敬称略)

  • 石川 清(無所属)
  • 武井 誠(社民・民主の会)
  • 栗原博之(社民・民主の会)
  • よしおか茂樹(日本共産党)
  • 大山しげる(日本共産党)
  • あらい文雄(日本共産党)
  • 鈴木ともゆき(日本共産党

反対した議員(敬称略)

  • 高野宣子(公明党)
  • 吉岡修二(公明党)
  • 古内秀宣(公明党)
  • 藤野 登(公明党)
  • 神田久純(市政会)
  • 井上勝司(市政会)
  • 小川達夫(市政会)
  • 小澤 弘(市政会)
  • 中島信夫(市政会)
  • 原島留男(市政会)
  • 飯田 恵(市政会)
  • 森田精一(緑政会)
  • 水村義篤(緑政会)
  • 加藤則夫(緑政会)
  • 石井 寛(緑政会)
  • 宮崎雅之(無所属)

※小川直志議員は議長のため採決なし(委員会採決では反対)


あらい文雄議員の賛成討論

 20番、あらい文雄です。ただいま議題になっております議請第4号「子ども医療費無料制度の助成対象を中学校卒業まで拡大し、窓口払いを廃止することを求める請願」について日本共産党を代表して賛成討論を行ないます。

 請願の理由で述べているように、日本の少子化は世界に類を見ないスピードで進んでいます。合計特殊出生率は減り続け、2006年は全国1.32、埼玉県1.24、坂戸市はさらに低く、なんと1.14です。あいつぐ労働法の改悪で、若い世代に非正規雇用が広がり、若い子育て世代の収入が益々不安定になり、経済的な負担が重く圧しかかっています。子どもの病気の多くは突発的に発生、子育て中の若いお母さんやお父さんにとって、突然の子どもの医療費は家計の大きな負担となります。

 子どもの医療費に心配なく、安心して医者にかかれる環境をつくることは子育て支援の重要な施策のひとつです。

 いま、子どもの医療費助成制度は、子育て支援として全国的にも大きく広がっています。

 坂戸市は4年前の2004年に小学校就学前(6歳)までが通院・入院とも無料化になりましたが、その後4年間は拡大が図られませんでした。

 この4年間に、近隣自治体ではどんどん制度の拡充が進んでいます。東隣りの川島町、西隣りの毛呂山町でも小学校卒業(12歳)までが数年前に実現、狭山市では今年10月に小学3年生まで拡大、同時に窓口払いも廃止をする、3年後の2011年には中学卒業まで無料化を拡大する方針を明らかにしました。

 このように拡大が進むなかで越生町は、今年の3月議会で、今回の請願と同じ中学校卒業(15歳)までの入院・通院の無料化が採択され、4月1日から実施されています。

 鴻巣市も2年まえの2006年度から入院・通院とも中学校卒業まで、ときがわ町、滑川町、皆野町、大利根町でも同様に実施されています。

 また、窓口払いを廃止している自治体はここ1〜2年で大幅に増加、県内37市町村で実施され、半数を超えています。

 財政的な面では、国民健康保険法の改正で、今年の4月から、就学前の医療費の自己負担が3割から2割に軽減され、平成20年度の子どもの医療費が約2800万円軽減されること、埼玉県の補助も今年の1月から就学前まで拡大され、20年度に約600万円増額、合計で約3400万円、今年度坂戸市の持ち出しが少なくなることも6月3日の市民福祉常任委員会での請願質疑で明らかになりました。

 坂戸市も4月から入院だけですが中学校卒業(15歳)まで無料化がされました。しかし、医者にかかる子どものうち、通院する人がほとんどで入院は1割にも及びません。早期に通院も中学校卒業まで無料化することは、子育て世代の市民の願いです。

 日本共産党坂戸市議団は毎年、子どもの医療費の拡大と窓口払いの廃止を一般質問で求めてきました。伊利市長も4月の選挙のマニフェストで「子どもの医療費無料化の拡充」をかかげています。また、多くの議員も子育て支援や今回の請願内容と同じ主旨の公約を掲げていました。ぜひ今請願に賛同していただき、「子育てをするなら坂戸市で」と言われるような活気のある坂戸市を作っていこうではありませんか。

 以上、今回の請願は多くの自治体が子どもの医療費無料化の拡大と窓口払いの廃止はかるなか、誠に的を得た請願であり多いに賛同できることを申し述べ賛成討論といたします。

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