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「遺伝子組み換えイネ」請願否決

12/21

 生活クラブ生協坂戸支部から出されていた「『遺伝子組み換えイネ』を食品・飼料として承認しないよう求める意見書提出に関する請願書」は12月5日(木)に行なわれた市民環境常任委員会で否決されました。

 請願の内容は「遺伝子組み換え食品への表示義務が確立していないために、食を巡る事件が多発している。このような状況下で、食生活の基本であるイネの遺伝子組み換え種子が開発され実験栽培が始まっている。安全性が確認されないまま承認されることは不安が増大する。日本農業の要であり、環境と食文化を守るために、遺伝子組み換えイネを承認しないよう、国へ意見書の提出をお願いしたい」というものです。

「『遺伝子組み換えイネ』を食品・飼料として承認しないよう求める意見書提出に関する請願書」の全文

 委員会での論議は、まず二人の紹介議員から、

  • 「遺伝子組み換えイネ」の商品化には問題があると報道されている。
  • 「遺伝子組み換えイネ」は一番危険とされる種の壁を越えた遺伝子の伝達で、未体験の食べ物になること。
  • 稲の花粉が飛散し他の作物に大きな影響を及ぼすこと。

などがある。

  • 稲は世界的に最も多い食料である。多国籍企業のモンサント社と愛知県農業試験場との共同開発で「遺伝子組み換えイネ」の「祭り晴」が実用化されようとしているが人体への影響は解明されていない。農水省は申請が出されれば承認する方向のようだ。

との趣旨説明があり、ぜひ坂戸市議会として、(請願を)採択してほしい、との発言がありました。

 委員からは、

  • 「遺伝子組み換えイネ」は腎臓病に有用性があると言われている。遺伝子組み換えだから全て認められないとするのはおかしい。
  • 世界的な食料不足に対し研究の必要性がある。議会で決めつけるべきでない。
  • 結論が出しにくい問題であり、成り行きを見て慎重な対応が必要ではないか。勉強会を持つことも良い。

などと意見が出された後、賛成、反対の討論がありましたが、賛成2、反対4で否決されました。

 その後18日(水)には議会本会議が行なわれましたが、日本共産党・社民党・無所属の8名が賛成、保守系議員・公明党の19名の反対によって不採択となりました。

 その後の新聞報道では、遺伝子組み換えイネの開発をしている愛知県農業試験場のおひざ元の愛知県では議会の質問に対し「技術習得の目的は達したが、厚生労働省への申請は行なわない」ことを明言しています。

 また埼玉県議会では「遺伝子組み換えイネ」に関する請願が採択されました。

 世界人口のうち30億人が食料としているイネであり、ヒトや生物の根幹に関わる遺伝子組み換えのテーマを慎重な議論もなく、「慎重な対応」「勉強会を」という意見も出しながらも、保守・公明の議員は、わずか30分程度で否決という結論を出してしまいました。

請願に賛成した議員:新井文雄大山茂徳升悦子塘永真理人吉岡茂樹、白石俊夫、田中昭子、榊原京子

請願に反対した議員:小川達夫、小川直志、石川清、上田中孝夫、吉岡修二、山田吉徳、高野宜子、桜井邦男、福田耕三、小久保明男、田原教善、森田精一、井上勝司、広沢市太郎、中島常吉、小室利夫、秋山嘉一、梅沢了、高橋信次

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