田中一郎先生を偲んで

　田中一郎先生は日本的に有名な方です。国から勲章をいただきました。東京に生まれ台湾で育ち兵隊になりました。（イラストをクリックすると大きくなります）

　敗戦後東京大学に学びました。その学びと関わる歴史の仕事で、奈良県に就職されたのですが、家族と共に生きる道を選んで坂戸の自宅に戻って来られました。坂戸においては、公民館長をはじめとして市民の豊かな育ちのために励まれました。

　青年の活動にも積極的で、その活動は『坂戸独立愚連隊』として出版されました。

　大人のための文化活動として市民の要求に応えて結成したのが『文芸さかど』です。40号で休刊となるのですが、田中先生あればこそこのような活動が坂戸に位置づいたのです。みんなのための活動も真摯（しんし）に取り組まれながら、田中先生は自らがやりたいことにも常に取り組んでおられました。それは版画制作です。歳を重ねられても続けられ、参加者と共に版画集(2017年)を出版されました。

　最後に田中先生のすばらしさをあげます。それは、米寿にして「九条の会さかど」の代表を引き受けてくださったことです。心を込めて会のポスターやタペストリーの原画を描いてくださいました。私たちの宝物として掲げ続けたいです。

　田中先生のほんの一部の紹介で恐縮です。ご冥福をお祈りいたします。

元町　新井竹子

トップページへ　　サイトマップ　　ページの先頭へ　　ひとつ前へ