鈴木ともゆき議員
【質問】 未曾有の被害をもたらした東日本大震災を受け災害時の対応や備えなど危機管理への関心が高まっています。
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未曾有の事態に交通機関はマヒ状態になり、都心の帰宅困難者はバスに乗るために長い行列ができ、駅で一夜を過ごす人、東京都と埼玉県境の戸田橋付近では、何時間もかけて自宅まで徒歩で帰宅する人たちであふれ、自転車や運動靴が売り切れたと報道もありました。
また、交通機関だけではなく固定電話、携帯電話ともほとんど通じない状況となり、比較的連絡が取れると言われている携帯メールも80%〜90%の制限をしたということもあり遅延して届くなどの状況となり、保護者や児童の混乱を招きました。
また、大震災の津波で発生した、いまだ収束のめどが立たない福島第一原発事故による放射能の子どもへの被爆に対しての不安も広がっています。学校の土壌汚染について、政府内部で危険性についての意見の食い違いが表面化していることにも多くの方が不安を募らせているのではないでしょうか。
本市において地震発生時にこれまでどのような対応や対策をしてきたのか、また、これまで、放射線に対する対応策などは想定していたのかお伺いします。
【答弁】 各学校では、震災・風水害における学校防災マニュアルが整備をされております。学校ではこのマニュアルに従って毎年、避難訓練や引き渡し訓練、消火訓練、また避難袋を使用した訓練等を実施しております。
避難訓練におきましては、火災に対する訓練の他、地震に対する訓練も実施し、地震発生時を想定し緊急放送により揺れがおさまるまで机の下に避難させ、揺れがおさまってから、校庭に避難するように訓練をしております。また、放射線につきましては、防災マニュアルに規定しておりませんので測定をしておりません。
【質問】 東日本大震災が発生した時間が午後2時46分と、小学校では下校の時間帯と重なり、色々と想定していなかったことが多かったと思います。連絡が取れない、首都圏に努めている方は、帰宅が困難になるという事態が発生した訳です。
交通機関がマヒし、帰宅が困難になった場合に今回の地震発生時のように児童を自宅に帰宅させることで余震が続く中、子ども一人で家にいなくてはいけないという状況が出てくる訳ですが、保護者が帰宅困難な場合の対応を今後どのように考えているのか、お伺いします。
【答弁】 小学校では、保護者に引き渡すことが原則になっていますけれども、場合によりましては、近所の方や親せきの方が引き取りに来ることも考えられますので、このことにつきましては、引き渡し訓練の時に保護者に周知するよう指導してまいります。また、すぐに引き取りに来られない場合につきましては、学校で待機させ更に避難所が開設された場合は、教職員と一緒に待機をさせたいと考えております。
また、中学校では安全を確認し、教職員が安全指導をしながら下校させますが小学校と同様、保護者などが確認できない場合につきましては、学校で待機させ避難所が開設された場合は、教職員と一緒に待機をさせたいと考えております。
【質問】 今回の大震災で学校ごとに作成している学校防災マニュアルについても想定をしていないこと、今後の課題が見えてきたと思います。
災害時における対応について、多くの自治体で学校防災マニュアルの検討、見直しが考えられています。今後、あらゆることを想定し、学校防災マニュアルの作成が課題となると思います。今回の震災を受け、学校防災マニュアルの見直しについての考えは。
【答弁】 各学校で作成しております。学校防災マニュアルについて、教育委員会で確認をし各学校では、避難経路の見直しや地震発生時間による対応のしかたなどの見直しを行ない、詳しい計画を作成する。
学校の放射線量は
【質問】 震災後、情報が混乱していた状況の中、子どもは放射線の影響を受けやすいということもあり、子どもを守りたい一心から流される情報に敏感に反応していたということがあります。
インターネット上でヨウ素剤の代わりにヨウ素を含む、うがい薬がヨウ素剤の代わりに有効という誤った情報が流れました。すぐに、うがい薬、ヨードチンキ、ルゴール液などが品薄になりました。放射線に対するこうした不安を取り除き安心して、学校に送り出せるよう取り組んでいくことが必要だと思います。
坂戸市役所での放射線測定は、5月17日から行っています。今後の各学校での放射線測定の実施への考えをお伺いします。
【答弁】 ご指摘の通り環境部で坂戸市役所において毎朝9時に放射線量を測定しホームページに測定結果を掲載しておりますけれども今後、教育委員会といたしましても学校におきまして放射線量を測定していく予定でございます。
【質問】 放射線測定について、前向きな答弁を頂きました。県の方でも地表面での放射線測定が実施されるということですが、やはり多くの方が子どもへ放射線の影響を心配していると思います。こうした子どもへの放射線に対して、安全性の確認などの問い合わせは、どのような状況か。
【答弁】 問い合わせについては、各学校、教育委員会に数件ございます。とくに放射線量について測定をしてはいかがかというご意見を頂いている状況です。
【質問】 市民から問い合わせが来ているとのことで、これから暑くなりプールの時期になる訳ですけれども、直接、子どもにふれるプールの水の状況、報道など見ているとプールの安全性、水への放射線量の不安を抱いている方も多いと思います。
近隣では、北本市が6月から市内小中学校のプール「水」と大気の測定を始めています。川越市や越生町では5月から水道水の検査を週一回はじめました安心・安全と不安の解消を考えれば、プールの水の放射線量の計測についても考える必要があると思います。プールの水の放射線量の測定の実施についての考えは。
【答弁】 県及び坂鶴水道企業団の水道水の放射線測定結果をまず確認したいと考えております。プールの放射線については、大気中のそれと連動しているものと考えられますことから基本的に大気中の放射線濃度が平常値であればプールの使用に支障は無いと考えております。安全確認のための測定を今後、抽出により実施したいと考えております。
坂戸のアスベスト対策は
【質問】 再生砕石とは、建物の解体現場から出る廃棄物を砂利として再利用することです。資源の有効な利用の促進に関する基本方針として、平成18年04月に、今後更に建設工事事業者及び発注者は、再生骨材等を路盤材料、裏込材、埋め戻し材料等として利用の拡大を図ることが必要であると再生砕石の利用を促進しました。当然のことながら、その再生砕石には、その繊維を吸い込むと人体に被害を与えるアスベストを含むスレート板、壁面材、塩ビタイルなどの建材は含まれていないはずでした。
しかし、「再生砕石」に、人体に有害なアスベスト(石綿)が含まれている事例が多数あることが、さいたま市の市民団体の調査で明らかになりました。
埼玉県内では、昨年8月、さいたま市浦和区の埼玉県施設(浦和青年の家)跡地にアスベストを含む再生砕石が敷かれたことが判明した問題がありました。続いて今年の2月22日、埼玉県桶川市圏央道工事現場でもアスベスト含有の再生砕石が見つかり報道がされました。圏央道工事現場や同地区周辺の国道、県道工事現場、JR桶川駅周辺など16ヵ所で再生砕石を採取し、そのすべてにアスベストが含まれているという結果でした。そこでお伺いします。再生砕石にアスベスト混入が確認されたことを受け、これまで、本市では、どのような対応をしてきたのか。
【答弁】 再々砕石につきましては、再生資源の有効活用を図るため、その使用を推進しているところでありますが、ご質問にありましたアスベストの混入の問題が、昨年9月に新聞等で報道されたことから、本市におきましてもアスベストの混入につきまして、注意を払ってきたところであります。具体的には、報道後、他の事例等の情報収集に努めるとともに、発注されていた道路工事に使用される再生砕石につきまして、材料承認に添付された試験結果表により、混入がないことを確認し、更には、現場での目視による検査を実施したところであります。
また、国におきましては、この報道を受け、厚労省、国交省、環境省の3省において、関係団体に対し、アスベストの混入防止の徹底を指摘するとともに、県におきましても、解体工事現場等のパトロールや立ち入り検査を実施していると伺っています。
【質問】 中皮腫や肺がんを起こす確率が高い発がん物質のアスベストは、その粉塵を吸い込むと、鋭くとがった繊維が肺に突き刺さり、いつまでも消えません。中皮腫というガンは、20〜30年もの潜伏期間があり、しかもこれを治す術は無いという苦しみから、「静かな時限爆弾」とも呼ばれています。
再生砕石は道路工事や駐車場と身近な場所で使われているのが現状です。再生砕石に紛れ込む形で、私たちの身近にばらまかれたアスベスト材が、風化、破壊するなかで粉塵を飛散させれば、周辺住民の生活環境は悪化し、二次被害が広がることになりかねません。
本市の再生砕石の利用状況はどのようになっているのかお伺いします。
【答弁】 市では、再生資源の有効利用を図り、環境型社会を構築するため、再生砕石等再生材の使用を推進している所でございます。このため、現在、本市で発注する道路工事の設計におきましては、全て、再生砕石を使用している状況でございます。
【質問】 本市の再生砕石の利用状況を伺いましたが国が推進するように道路工事では100%再生砕石を使用している訳です。
安全性から考えればアスベストを含む再生砕石の混入調査は、実施するべきと考えますがこれまで混入調査を実施したことはあるのかお伺いします。
【答弁】 本市の道路工事で使用する骨材につきましては、市独自の調査はいたしておりませんが、使用前に材料承認申請により、仕様、規格に合致し、更に適正な品質管理、試験が行われているかを確認し、仕様にあたりましても、目視による検査を行なっているところであります。
【質問】 アスベストを含んだ再生砕石の問題は、周辺住民の健康被害を考え、国も、この問題を非常に重く受け止めている訳ですが、アスベストが身体に与える影響についてどのように認識しているのか。
【答弁】 先ほどご質問がありましたように、アスベストの内容によりましては、人体への影響は大であることは十分認識しております。従いまして、本市といたしましては、搬入されないよう入り口部分で、しっかりと監視していきたい。
【質問】 では今後、実際に道路工事で再生砕石の中にアスベストを含む建材の混入が確認された場合は、どのような対応を考えているのか
【答弁】 先ほどもご答弁申し上げましたが、入り口段階で万全を期していきますが、万が一アスベストを含む再生砕石の混入が確認された場合、埼玉県とも協議の上、その時点で適切に対処していく。
【質問】 埼玉県とも十分協議の上、対策を検討するとの答弁がありました。さて、再生砕石へアスベストを含んだ建材が混入していた問題は、建設リサイクル法に基づき、木材、アスファルト・コンクリートとその他の建材を分別して解体することとされ、その他の建材のうち「スレート」については、廃棄物処理法に基づき、産業廃棄物として破砕せずに埋め立て処分するよう義務づけられています。
そのことから「スレート」が混入していること自体は、あってはならない訳です。
スレートとは、アスベストをセメントなどと一体に成形して薄い板状に加工し、屋根材、内・外壁材として広く建築物に使われている物です。
さて、私も再生砕石を使っている場所を何ヵ所か調査しましたが、坂戸西スマートインターの工事現場、橋へのアクセス道の部分ですが、スレート片を歩道から手の届く範囲で1分程度、4つ拾いました。これがそのスレートです。スレート断面から繊維のような物が出ているのがアスベスト(石綿)です。
そして、その横の迂回路がありますが、アスファルトが敷いてある簡易的に作られた狭い道ですが、その下地に再生砕石が使用され、それが横からはみ出し再生砕石が見える状況ですが、そこでスレート片6個と石膏ボード1個を回収しました。
そして、スマートインター予定地で、3月現在、発掘調査中だった現場、資材置き場、駐車場においてスレート片3個を回収し、また、環境学館いずみの裏にある川沿いの駐車場で3つのスレート片が見つかりました。
そして、昨日、工事が進みだいぶ砕石の状況が変わったスマートインターを見に行き、橋へのアクセス道で8個、スレート片を回収しました。その先の畑に面した再生砕石の敷き詰められている場所から、3個回収しました。この場所は3個しか見当たらなかった訳ではなく、きりがないから3個回収しただけです。
こうしたスレート片が少し見れば出てくるという状況な訳です。廃棄物処理法に基づき、産業廃棄物として破砕せずに埋立処分するよう義務づけられているスレートがこれだけ見つかった訳です。
再生砕石に入っているはずのない、産業廃棄物のスレートが入っているという事実が判明したわけですけれども、今後、どのように対応をするのかお伺いします。
【答弁】 スレート自体に全てにアスベストが含まれているのか、わたくし認識しておりませんので、県等通じて協議し、しっかりと対応していく。
これらスレート等が搬入されているという事実、搬入されているものを提示されながらのご質問ですがこの関係につきましては、入り口部分でしっかりと防止に取り組んでいるところですが、事実そのようなことがございますのでスレート自体がそくアスベストの問題となるのかどうかその辺も含め、早急に調査し、また、専門機関、県等の指示を仰ぎながら、この辺の対応としては早急に対応したいと考えております。
【補足】 スレート片の問題ですけれども、スレートすべてにアスベストが含まれているということでは、確かにないと思います。事実、桶川の調査では、すべてからアスベストが検出されているのも、それも事実です。国、県とも強化をしながらこういう実態にあることが、深刻な事態であるとわたくしは思います。ぜひ、しっかりと対応していただくようお願いいたします。
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