大山しげる議員
10月3日(土曜日)、日本共産党埼玉県議団主催による「八ッ場ダム問題学習会」に参加してきました。
柳下礼子県議団長のあいさつの後、塩川鉄也衆議院議員が「八ッ場ダム問題の現局面と今後の対応について」というタイトルで報告をしました。報告の概要は次の通りです。
日本共産党の立場
- 日本共産党はこの間、八ッ場ダム中止の立場を明らかにして取り組んできた。
- 国民と日本共産党の共同したたたかいが、新政権に八ッ場ダム中止の立場をとらせることにつながった。
中止を求めてきた理由
- 利水については、すでに首都圏は水余りの状況となっている。現在、首都圏の人口は横ばいから減少へと転じている。節水機器の普及もあり、関東都県の水源を足し合わせれば、現状でも十分に対応できる。
- 八ッ場ダムの治水効果はわずか。カスリン台風と同等の降雨災害に対する八ッ場ダムの治水効果はゼロであることは4年前の国会答弁でも認められている。八ッ場ダム建設に固執することが、本来優先して実施すべき堤防改修工事などを遅らせてきて、真の治水対策を遅らせる要因となっている。
- 八ッ場ダム問題固有の問題として、脆弱な地質により地滑りなどの災害を誘発する危険性があること、豊かな景観の吾妻渓谷などの自然美が損なわれることがある。
中止で費用が増大する?
- ダム建設を継続し、実際に使用されることになれば、さらなる負担増大につながる。建設予定地は地質がもろいので地すべり対策に膨大な費用がかかるなど、事業費増大は必至。
- 埼玉県などの関係都県からの負担金を全額返還すると、建設費用を上回ってかえって高くつくという批判があるが、負担金が全額負担になっても国と地方の負担割合が変更されるだけであり、国民の負担は変わらない。生活再建対策の工事を継続したとしてもダム本体工事の支出削減にはつながる。
- 公共事業のあり方そのものを見直していくスタートとなりダムなどの大型事業を精査していく中で、国民負担は大きく軽減されることになる。
地元住民の「批判」とは?
- 新政権の中止作法には問題がある。住民の苦しみの大もとには歴代自民党政権の悪政があり、旧政権の押し付けが原因であっても、新しい政権が真摯な姿勢で謝罪することが何よりも求められている。
- 新政権が中止理由について筋道を立てて説明していないので、問答無用に押し付けているように住民は受け止めている。それまで民主党として現地で住民と懇談したことがなかったことも、頭ごなしに中止を決めたと火に油を注ぐことになった。
- ダム建設を前提にした生活再建策が行なわれてきたのに、ダム中止で生活再建策がどうなるのか、見通しが立たないことへの不安は大きなものがある。
いま、何が必要か
- 国が真摯に謝罪するとともに、中止の理由を丁寧に説明すること。
- ダム中止こそ、一刻も早い生活再建・地域振興につながるということを住民に説明していくことが大切である。
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