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09/06/08
4月27日(月)の新聞に高校生の6割が「9条を変えない方がよい」という記事がありました。日本高等学校教職員組合(日高教)が「高校生1万人憲法意識調査」をまとめたものです。 60.9%の高校生が戦争の放棄を定めた憲法9条を「変えない方がよい」と回答しています。 前回の2004年度の調査から9条を変えることについて『わからない』が16.1ポイント減少し、変えない方がよいが急増しています。 イラク戦争の報道や九条の会の活動などを肌で感じ、多くの高校生が現在も未来も憲法9条を軸とした平和な社会を求めていることがわかります。 しかし、憲法改悪のための「国民投票名簿調整システム」など改憲派は必死です。高校生の思いを踏まえて憲法を守る闘いの大切さを改めて実感しています。 また、基本的人権、法の下の平等、生存権、勤労権などの諸権利が十分保障されていないとの回答は2割程度ですが、7割が今の社会には決して満足はしておらず、どのように社会参加・政治参加していくべきか模索しているとのべています。 この中で、ワーキングプアについて「知っている」は4割しかないことを問題にしながらも、そのうち「本人の自己責任である」との回答は13.3%で、あとの8割は生存権や勤労権の保障を求め、半数近くが「不安定雇用はなくすべき」「教育を無償にすべき」と回答しています。 今、景気の急激な悪化によって、貧困層の急速な拡大が進んでいます。派遣や非正規労働、ワーキングプア格差社会の議論は今に始まったことではありませんが、全労働者に占める非正規社員率が3割、完全失業者に占める失業保険給付率が2割、生活保護を受けるべき人の受給率が2割など、さまざまな数字がこれを裏付けています。 よく言われる「自己責任論」、つまり「何らかの努力が足りなくて貧困状態に陥った」とする見方も、全く不正解ではないかもしれません。ギャンブルに精を出し、サラ金に手を出した挙げ句にホームレス状態に陥った人に、果たしてどこまで手を差し伸べたらよいのか…。意見は分かれるでしょう。 そこで「救済に値する人」「値しない人」という考え方も出てくる。以前NHKスペシャルで最大限がんばってるのに貧困から抜け出せない姿を放映し共感を集めました。 これは、その裏に「救済に値しない人は仕方がない」という論理が潜んでいると思います。「値する人」だけ救済するというのは、もはや「人権」ではない「恩恵」ではないか。つまり、権利としての生活保護が、根付かない日本社会の現状を反映しているのではないでしょうか。 「がんばった人だけ救済」という「自立支援イデオロギー」を批判し乗り越えなければ貧困当事者の声は届かず、新自由主義イデオロギーにかき消されてしまうでしょう。 憲法9条、基本的人権、法の下の平等、生存権、勤労権など5月3日の憲法記念日には、憲法について思いをめぐらしてみてはいかがでしょうか。 |
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