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臨時議会に付された
住民投票条例制定に対する
市長の意見文書

08/12

地方自治法第74条第3項の規定に基づく意見

坂戸市長 伊利 仁 

 首都圏中央連絡自動車道、通称「圏央道」は、坂戸市にとりましで大変重要なプロジェクトであり、私が市長に就任する以前からの大きな課題として、過去に例を見ないほど議論を積み重ねてまいった事業であります。

 市議会では、平成元年2月に地元関係者102名から市議会議長あてに提出された請願書を契機として「都市整備対策特別委員会」が設置され、平成元年6月21日から平成4年3月3日までの約2年8か月の間に委員会を23回・委員協議会を14回開催し、多面的、総合的かつ慎重に御審議をいただきました。また、特別委員会での審議過程において、多くの方々から様々な意見をいただくために「地元関係者等から意見を聞く会」も開催しております。

 一方、行政におきましては、平成3年1月に特別委員会から提出されました「周辺開発を白紙に戻し、今後時間をかけて住民主体のまちづくりを進め、当面インターチェンジとアクセス道路の都市計画決定の手続きを行う」との方針のもとに、地元懇談会地区集会、意見交換会を何度も行い、事業内容などについて説明をしてまいりました。

 このため、「(仮称)坂戸インターチェンジ及びアクセス道路」を都市計画決定する際に行った縦覧期間中に提出された計画書に対する意見書では、総意見数10,819通のうち、「賛成9,857通・反対962通」と計画に賛成する意見書の割合が約91%と高い結果となっております。

 私は、平成12年5月に坂戸市長に就任させていただいた当初から「(仮称)坂戸インターチェンジの設置、アクセス道路の建設」につきましては、「治水・防災的見地、財政的見地から総合的に検討し、市民の合意形成を第一に考えながら慎重に対応すべき事業である」と考えておりました。

 以来、様々な努力を積み重ねてきた結果、治水・防災的見地では、「樋門の設置」や「築堤」などにより越辺川・飯盛川・大谷川などの水害対策にも目処が立ちました。このことにより、東部地域ばかりではなく坂戸市全体に関わる抜本的な解決の方向性が定まったところであります。

 また、財政的見地では、平成元年に埼玉県と取り交わした「確認書」の「見直し」について埼玉県と合意し、市の財政支出を極力抑えたところであります。さらに、アクセス道路建設における市負担額は「国庫補助制度の活用」や「地方交付税措置」により軽減が見込まれるため、全額が市負担となるわけではありません。

 以上、申し述べましたが、私は市民が権利として有しています「直接請求権」を否定する考えはなく、むしろ、それを尊重することが私の責務であると認識しております。しかしながら、住民投票を含む「直接民主制」は現行の地方自治制度における「間接民主制」を補完する一手段であるとも認識しているため、住民投票は、「市民の意見が割れ、対立する状態が長期化するような状況である事例が生じた場合」に活用するものであると考えております。

 「(仮称)坂戸インターチェンジの設置及びアクセス道路の建設」につきましては、先に申し上げましたとおり、一つ一つ慎重にその手順を踏み、時間をかけて進めてきたものであります。その合意形成の過程では、議会制民主主義のルールに基づいて市議会にお諮りするとともに様々な市民参加を図り、皆様方の理解を得ながら進めてきたものであると認識しております。また、私が市長に就任してから着手した「第5次坂戸市総合振興計画」の策定過程においても、地区別懇談会などをとおして、このことを含めたまちづくりの様々な点について市民の皆様から御意見をいただいております。

 したがいまして、(仮称)坂戸インターチェンジやアクセス道路の都市計画決定以前であるならともかく、「インターチェンジや県道上伊草・坂戸線までのアクセス道路」用地の買収を終了した現在の状況を鑑みると、改めてアクセス道路建設の住民投票を実施することなく進めていくことができる事業と認識しております。

 21世紀という新たな時代において、市民皆様が主役となる自立性の高い地域社会をつくりだすために、市民・産・学・官がともに力を合わせ「魅力あるまち、希望のもてる坂戸」となるよう努めておりますが、「今回、本条例制定の請求がなされた」という事実は謙虚に受け止め、今後とも市民並びに市議会のお力添えを賜りながら市政発展のため努力してまいります。

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