24年11月1日
9月議会の市政一般質問では、「市内小中学校における不登校問題の現状とその取組について」質しました。
文部科学省は2022年度、公立小・中学校不登校児童生徒が全国で29万9千人となり、前年度から5万4,108人も増加という、驚くべき数字を発表しました。県内においても毎年増加傾向です。
日本の教育システムは子どもたちに多大なストレスを与えています。競争での評価、成績主義、同調思考等からはみ出すと、からかいやいじめが出てきます。人間関係のトラブルからくる不信や不安が起こります。これが「不登校」という形で表れているのではないでしょうか。
今回は、市内小中学校で起きているこの問題を取り上げました。
質問 市内小中学校における不登校の現状は。
答弁 2023年度の不登校児童生徒の人数は、小学校52人、中学校160人。2022年度と比べ小学校で36人、中学校で41人の増となっている。
質問 主な不登校の要因は。
答弁 学校生活にやる気が出ない無気力状態、不安や気持ちの落ち込みという不安な状態が多い。友人関係、成績不振などの学習面への不安、家庭環境等多岐にわたっている。
質問 学校での不登校対策の具体的な取組は。
答弁 早期の段階では、担任やさわやか相談員による面談の実施。登校はできるが、教室へ入ることが難しい児童生徒のために校内教育支援センターを立ち上げた学校も増えている。登校が難しい児童生徒には、家庭でできる学習への支援。市の教育支援センターやフリースクール等の機関を紹介したりする支援。一人ひとりの状況に応じた支援を行なっている。
質問 不登校になった場合の家庭への具体的な支援は。
答弁 保護者の悩みや不安などの傾聴に努め、今後の対応について共に考え取組でいくという姿勢を示し、信頼関係づくりを大切にしている。学校での支援方針や具体的な取組を伝えながら継続的に支援を進めている。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど多くの支援者がいることも伝えている。
質問 学校の具体的な支援策は。
答弁 各関係者が学級担任から児童生徒の状況報告を受け、その上に立って協議する。役割分担を明確にした支援策を立てて保護者と連携し、定期的に進捗状況を確認しながら支援に取組んでいる。
質問 現在教育支援センター「ぱすてる」に通級できない不登校児童生徒への対や支援は。
答弁 各学校で別室登校等状況に応じた支援を行なっている。校内教育支援センターを設置している学校では、教室復帰を目標にする、登校を目標にする、学習の補習を目標にする等、一人ひとりの目標に応じて本人と保護者の希望を踏まえながら手立てを考え継続的に支援を行なっている。場合によってはフリースクールを一緒に考えることも行なっている。
質問 不登校対応で負担が多くなる担任教員の心のケアについては。
答弁 担任ひとりで抱え込まないように学年主任など他の教職員とチームを組むなど組織的な対応をしている。担任の落ち込みや心配な様子が見られたときは、管理職、学年主任などの同僚職員が積極的に関わるなどしている。
質問 スクールカウンセラーの配置状況は。
答弁 スクールカウンセラーは小中学校全校に配置している。中学校では週に1回または2週間に1回、小学校では月1回の頻度で配置している。
質問 教育効果が期待できるカウンセラーを市で採用し、増やせないか。
答弁 学校にスクールカウンセラーを多く配置することは児童生徒の支援に非常に効果的だと考える。現在は県費で配置しているが今後、市でも配置することについて研究していく。
今回、質問して痛切に感じたこと。それは、学校現場が授業、トラブル、保護者からの相談に答える他、不登校対応もすべて担任の業務にかかっていることです。せっかく全学校配置となっているスクールカウンセラーの訪問も回数が少なすぎます。これでは真の解決になりません。多忙すぎる労働環境と、一人ひとりに対応する教職員が足りないことを痛感しました。当然、教職員を増やすことが必須です。
国や文部科学省の責任としてもっと教育予算を増やし、教職員がゆとりをもって、一人ひとりに行き届いた教育を推進していくこと。このことがひいては子どもたちの心の不安や不信の扉を開けることにつながっていくことになるのではないでしょうか。不登校問題についての声を各関係者に機会あるごとに届け、注視していきたいと強く思っています。
坂戸市役所「日本共産党坂戸市議団」議員控え室 電話 049-283-1331(内線)629