インボイス中止を求める請願否決

日本共産党坂戸市議団 新さかど

22年12月15日

 坂戸民主商工会から今期定例会に提出された『「消費税のインボイス制度は、実施を中止すること」との意見書を国に提出することを求める請願書』について、鈴木ともゆき議員とともに紹介議員となり、私は11月29日(火曜日)に行なわれた総務文教常任委員会で紹介議員として質疑に対する答弁を担当しました。

 委員会答弁の中で、インボイス制度のデメリットとして、現在免税事業者の方が課税事業者になった場合の新たな税負担、インボイスを発行できないことを理由に取引がなくなり、免税事業者に減収や廃業の危険があること、インボイスの保管などの事務負担の増加、インボイス発行事業者はインターネット上のリストに掲載されるため個人情報漏えいのおそれがあることをまず紹介しました。

 また、インボイス制度の実施に賛成する理由としてよくあげられるものに、免税事業者は消費者から預かった消費税を納めずに懐に入れているという、いわゆる益税についての批判がありますが、そもそも消費税は預り金ではなく、益税というものは存在しないという司法の判断を紹介しました。

 さらに、現在政府税調などがすでに発表している経過措置、また現在検討している激変緩和措置についての見解に関する質疑では、その事実はあるものの効果は限定的であることや、制度の趣旨に沿わないという見解を答弁しました。

 社会的影響のひとつとして、新たな税負担や個人情報漏えいのおそれから、芸能関係のいわゆる下積みでは生活が困窮するため、芸能関係は若手の流入が減少し、広範な業界での先細りが懸念され、個人情報保護の強化と、中小零細事業者やフリーランスを守る恒久的措置の必要性を訴えました。

 本市への影響の中で大きなものとして、インボイス制度の実施によって、坂戸市シルバー人材センターが新たに負担する見込みの税額が、運営費である事務費の総額を上回る試算結果を紹介し、インボイス制度の実施は存続の危機であることを答弁しました。

 請願は12月6日(火曜日)の本会議で採決され、賛成7、反対11で不採択となりました。

宮坂ひろゆき議員

日本共産党の賛成討論

議請第3号「消費税のインボイス制度は、実施を中止すること」との意見書を国に提出ことを求める請願書に対する賛成討論

 議請第3号「消費税のインボイス制度は、実施を中止すること」との意見書を国に提出することを求める請願書について、日本共産党を代表して賛成討論をします。

 消費税の適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度が、2023年10月から実施されようとしていますが、2021年10月に登録申請の受付が始まって以来、さまざまな業界から不安や反対の声が上がっています。

 インボイス制度が導入されることで大きな影響を受けるのは免税事業者です。課税事業者でないとインボイスが発行できないため、多くの課税事業者は免税事業者との取引をやめることが想定されます。それを避けるためには課税事業者になるしかありませんが、赤字経営になっても身銭を切って消費税を納めざるをえなくなります。今現在すでに経営が厳しい事業者の倒産や廃業が相次ぐことが強く懸念されます。

 インボイス制度の影響を受ける免税事業者は、個人タクシー、文化・芸術に関わるアーティスト、プロスポーツ選手、シルバー人材センター、農家をはじめ、ウーバーイーツなどの宅配パートナー、電気・ガス検針員、一人親方など多岐にわたります。

 しかし多くの関係者は、自分が納税者になる必要があるかもしれないという自覚がないままでいることも危惧され、このまま実施すれば混乱を招くことは必至です。また、インボイス事業者公表サイトにおける個人情報保護が不十分であることも指摘されており、特に芸能人やスポーツ選手、作家など、有名人の住所などが知られてしまうことが懸念されます。

 加えてインボイス制度が実施されれば、仕入れ税額控除のためにはインボイスを保存し、申告することが必要となります。記載内容に適用税率などが加わるための仕様変更などの負担、なにより免税事業者の時にはなかった消費税の申告と納税という新たな事務負担を強いられます。

 市内には、多くの中小企業・小規模事業者があります。地域に根を張り市内経済を支えている中小・小規模事業者を苦しめることは、本市経済を更に厳しくすることにつながります。

 シルバー人材センターについては、インボイス制度で生じる新たな税負担が事務費の総額を上回る、2021年度(令和3年度)ベースで4,512万円余りと見込まれるなど、存続できなくなる可能性が高いことも委員会質疑の中で明らかになりました。本市への影響は多大なものであります。

 この様に問題が多いのがインボイス制度です。コロナ禍で苦しむ中小小売業、フリーランス、シルバー人材センターの方々の生活を支えることを最重要課題ととらえ、本市から政府に対し「インボイス制度の実施中止を求める」意見書を提出することに、議員みなさんのご賛同をお願い申し上げ、賛成の討論といたします。

あらい文雄議員

11月29日(火曜日)総務文教常任委員会 反対多数で不採択

紹介議員
鈴木ともゆき(日本共産党)、宮坂ひろゆき(日本共産党)
紹介議員の議案説明
鈴木ともゆき(日本共産党)
紹介議員として質疑に対する答弁
宮坂ひろゆき(日本共産党)
反対討論
野沢聖子(公明党)
賛成討論
あらい文雄文雄(日本共産党)
賛成した議員(2人)
武井 誠(立憲民主・社民の会)、あらい文雄(日本共産党)
反対した議員(3人)
野沢聖子(公明党)、藤野 登(無所属・議長)、森田文明(民政クラブ)

12月6日(火曜日)本会議 反対多数で不採択

賛成討論
あらい文雄(日本共産党)、平瀬敬久(無所属)
反対討論
野沢聖子(公明党)、石井 寛(民政クラブ)
賛成した議員(7人)
中村拡史(立憲民主・社民の会)、弓削勇人(立憲民主・社民の会)、武井 誠(立憲民主・社民の会)、平瀬敬久(無所属)、宮坂ひろゆき(日本共産党)、鈴木ともゆき(日本共産党)、あらい文雄文雄(日本共産党)
反対した議員(11人)
野沢聖子(公明党)、柴田文子(公明党)、古内秀宣(公明党)、田中 栄(みらい)、小澤 弘(みらい)、友田雅明(民政クラブ)、森田文明(民政クラブ)、石井 寛(民政クラブ)、加藤則夫(民政クラブ)、猪俣直行(さかど新政会)、飯田 恵(さかど新政会)

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