ウクライナの風(２)ひまわり

　梅雨明けが待たれるこの頃。私たちウクライナ人にとって日本の梅雨は、一年で一番シンドイ季節だと感じています。クリミア半島が丁度、北海道と同じ緯度なので梅雨がないのです。（写真をクリックすると大きくなります）

　でも、この時期には、何といってもヒマワリが私たちにとって、祖国への思いを募らせます。ヒマワリはウクライナの国花でもあり、国旗にも青と黄の２色を使っています。青い空と黄色の麦畑とされる一方、青は水、黄はヒマワリの説もあります。青色と黄色はウクライナ人のシンボルなのです。

　初夏の真っ青な空の下、ウクライナ郊外では地平線の奥深くまで、真っ黄色に輝くヒマワリが続きます。このコントラストは、私の大好きな日本の青い空と海との風景と重なります。

　平和になった夏のウクライナへお越しください。きっと映画『ひまわり』のワンシーンを体感できます。日本もウクライナも風光明媚な国ですので、両国には、もっと似たような文化がたくさんあるのではと見つけたり、探したりするのが、避難している父母と私の楽しみのひとつです。

　先日、新潟の山奥に二百数十年前に建てられた古民家を移築した方に夕食に招かれ６名でお伺いしました。玄関でヒマワリが迎えてくれ、囲炉裏を囲んで郷土料理をいただいた数時間、優しい心と雪国文化に励まされて大感激でした。交流は本当に嬉しいことです。

　梅雨の晴れ間に、青空にヒマワリを重ね、あの頃の穏やかな日常へと祈りを捧げています。

根本ユリア

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