22年2月16日
市内東部地域に未曾有の被害をもたらした2019年10月の台風19号。越辺川堤防の決壊が被害に拍車をかけました。国土交通省関東整備局は昨年春、氾濫を防ぐため、他の対策とともに越辺川周辺に遊水地を整備する計画を発表。(写真をクリックすると大きくなります)
増水時には河川水を流入させ氾濫や堤防決壊を防ぐ計画。一方、予定地の紺屋、横沼、小沼は市内でも優良な水田地帯。「河川水の流入で肥沃な土の復活が困難」などと農業者から建設反対の声が上がっています。
農業者「優良農地守れ」と会結成
予定地内に農地を所有し、台風19号で壊滅的な被害を受けた原農場(紺屋)の原伸一代表取締役らは死活問題だとして、「坂戸市三芳野地域の環境と水田を守る会」を結成し、1月29日(土曜日)に設立集会を開きました。
集会では「遊水地になって河川水や土砂が農地に流入したら長年耕してきた肥えた土の復活は難しい。計画を変更してほしい」「治水対策は大事だが、農業を守る別の方法を考えてもらいたい」との訴えが相次ぎました。今後、計画変更を求める署名活動を進め、国交省をはじめ県、市などに提出することを決めました。
昨年3月、国交省は概要説明会を開催しましたが、コロナ禍のため短時間で終了。対象者は区長、自治会長、防災会長、水利組合長ら49名(参加者数は未発表)のみ。質疑時間はほとんどなく資料説明が中心。その後、三芳野地区住民へ資料が回覧されました。
国交省は2022年度に測量、地質調査、周囲堤(編集者注・遊水地を囲む堤防)の詳細設計、遊水地の位置など地元説明会、周囲堤の補償説明などを経て、年度末にも着工を目指すとしています。
治水は命を守る重要な施策。でも一方で農業者が営業上、生活上で多大な損失を被るのです。農地を原状回復できない可能性がある農業者の心情は察するに余りあります。
説明資料で国交省は「河川水により土砂が堆積しても、国は対処しない。所有者で対応していただく」という無責任な姿勢をとっています。農業の続行が事実上不能になります。ここに農業者が計画に反対する最大の理由があります。
農業者(地権者)の意見反映がされない治水計画は有り得ません。
国土交通省 関東地方整備局 荒川上流河川事務所
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