12月議会 補正予算案に焦点

日本共産党坂戸市議団 新さかど

22年1月20日

坂戸ガス寄附金「1千万円」繰り入れめぐり

 坂戸市議会12月定例会は12月15日(水曜日)、全議案を可決し、22日間の会期を終え閉会しました。

 今議会で議論の焦点となったのは、坂戸ガスから坂戸市への1千万円の寄付金を歳入に繰り入れた補正予算案。最終日の本会議で、平瀬としひさ議員(日本共産党)と弓削勇人議員(立憲民主・社民の会)が反対討論に立ちました。

現職国会議員が代表取締会長兼社長の会社からの寄付

 補正予算案の審議で、平瀬議員は「公職選挙法違反の疑念、市民感覚とのズレ」を理由に反対討論しました。

 弓削議員も、衆院選直前というタイミングであること、寄付金受け渡し時に山口泰明氏と石川清市長らが写った記録写真データを市が削除したこと等を例に挙げ、「公職選挙法違反の疑念を払しょくできない」と反対討論しました。

 採決では、反対7(共産党4、立憲民主・社民の会3)に対し、賛成12(民政クラブ5、公明党4、さかど新政会2、無会派1)で可決されました。

 一方、18歳以下を養育している世帯へ現金5万円を先行給付するコロナ対応の議案が最終日に上程。「10万円一括給付できないか」等の質疑に対し、市は「システム変更等に時間がかかる。少しでも早く困っている市民へ先行の5万円を給付したい」と答弁。全会一致で可決しました。

2案件、指定管理者が変更に

 その他、市民総合運動公園の指定管理者を来年度から5年間「さかどスポーツパートナーズ」とする議案、同期間の坂戸市文化会館、坂戸市文化施設オルモの指定管理者を「株式会社ケイミックスパブリックビジネス」とする議案等の11議案を全会一致で可決しました。


11月30日 予算決算常任委員会総務文教分科会での主な質疑

中村委員(立憲民主・社民の会)と新井委員(日本共産党)

質問 1000万円は高額。寄付に際して会議など開いたのか?

答弁 開催していない。通常の寄附手続きで寄付受け入れを決定した。

質問 寄附の受け渡しはいつどこで?

答弁 寄附目録受け渡しは、本年9月21日午後2時、応接室にて。

質問 出席者は?

答弁 目録受け渡しの出席者は、市側は市長・副市長、総務部長、庶務課長。坂戸ガス側は、山口泰明取締役兼社長、専務取締役、常務取締役、の7人。

質問 選挙の話は出たのか?

答弁 選挙に関する話はなかった。

質問 今回は50周年だが、これまで10周年、20周年等、節目において寄附はあったのか?

答弁 都市ガス用ガスコンロ及び図書の寄附は確認できたが、周年事業と思われる寄付は確認できなかった。

質問 寄附に際して市長を含め写真の撮影はされたのか?

答弁 記念用の写真を撮影した。

質問 写真を「広報さかど」などで使う予定はあるのか?

答弁 撮影した写真は、寄付申込者と寄附目録に相違があったため、画像データにつきましては保存していないことから「広報さかど」へは掲載しない。

質問 公選法199条の3に抵触する恐れのある寄附であるという認識はなかったのか?

答弁 公職の候補者等の氏名は表示されていないこと、また氏名が類推されるような寄附ではないと判断し、受け入れた。

質問 坂戸市には市議会議員政治倫理条例があり第3条で「道義的批判を受ける恐れのある寄付等を授受しないこと」となっている。そのことを知っての上でなぜ寄付を受けたのか?

答弁 会社名の寄附であり、公職の候補者等の氏名は表視されていないことから、公選法に抵触していないと認識しています。


12月10日 予算決算常任委員会での新井議員の補正予算反対討論

 ただいま議題となっております議案第66号「令和3年度坂戸市一般会計補正予算(第3号)を定める件」について、日本共産党を代表して反対の立場から討論を行ないます。

 この一般会計補正予算は、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に要する経費や、校舎改修工事に要する経費、不足が見込まれる各種事業費など、市民の命と暮らしを守る予算措置がされているところは評価するところです。

 しかし、当補正予算編成にあたって、看過できない問題があります。歳入の款7 寄附金 節1の一般寄付金1,000万円でありますが、今議会の議案質疑の答弁にあった通り、寄付者は坂戸ガス株式会社であり、受入日は本年の9月30日ということです。

 過去10年間の団体からの寄付金総額を上回る金額の寄付は、厳しい財政状況の中では大変にありがたいものであることは大いに理解いたします。しかし寄付時点での坂戸ガス株式会社代表者は会長兼社長の山口泰明氏です、山口泰明氏は当時現職の国会議員でありまた。山口氏が坂戸ガス(株)と深い関わりがあることは、多くの市民の知るところです。

 このことから公職選挙法199条の3の条文のなかで「政治家が役職員、構成員である団体、会社が、選挙区内にある者に対して、政治家の氏名を表示したり、氏名が類推されるような方法で寄附をしてはならない」という部分の「類推される」に抵触する可能性は否定しきれないものと考えます。質疑のなかでは寄附の当日、国会議員山口泰明氏本人が持参している事も明らかになりました。

 また、本市は坂戸市議会議員政治倫理条例で「道義的批判を受ける恐れのある寄付等を授受しないこと」と定めており、市議会議員が代表者の事業所等は、市などに寄付は当然しない、できないことになっています。このような条例を持つ市が、現職の国会議員が代表者を務める事業所から寄付を受け、代表者名を削除したので問題がないという認識は、政治と金の問題が世論の大きな関心を集めている昨今、市民感覚とのズレは明らかであります。

 加えて、衆議院議員選挙が遅くとも11月上旬と言われていた時期の寄付ということもあり、市民から疑念の声があがることは容易に想像でき、公選法に違反しないか、時期は適当であったかの検討が不足しており、適切な寄付の受け入れであったとは言えるものではありません。

 以上、本補正予算には市民生活に寄り添った事業も多く含まれていますが、適法性、透明性に疑念を持たれる巨額の寄付を受け入れた市の姿勢は問題であり、今回の事案は認めることはできません。今後の改善を強く求めるものであります。

 以上を申し述べ、議案第66号の反対討論といたします。


12月15日 本会議での平瀬議員の補正予算反対討論

 ただいま議題となっております議案第66号「令和3年度坂戸市一般会計補正予算(第3号)を定める件」について、日本共産党を代表して反対討論を行ないます。

 今回の補正予算案により、障害者福祉費や児童福祉総務費の増額、小中学校校舎の老朽化対策、消防設備改修、避雷針設置等の教育費増額、新型コロナへの感染防止、重症化防止のための3回目のワクチン接種関連で予防費が増額されている点は高く評価できます。

 一方、歳入に関し、坂戸ガス株式会社からの1,000万円の寄付金を受入れしている件は、公職選挙法第199条の3に抵触していないかという疑念が残ります。その受け入れは、総選挙投開票日の1ヵ月前9月30日であり、また、この問題で実際に苦情や問い合わせの電話、メール等が市民から10件以上届いているという点からも、この寄付金受入れが市民感覚では大いに問題ありと受け取られているであろうということも十分に推測できます。

 つまり法律上の疑念、そして、市民感覚からのズレ、この2点から、この寄付金は、受入れして歳入として繰り入れすべきものではないと考えます。

 この寄付金受け取りにあたり、執行部は今議会の先月26日の総括質疑における鈴木議員からの質疑に対し「会社名での寄付であり、公職の候補者等の氏名は表示されていないことから、この規定に抵触していないと判断し、受入れをしたものでございます」との答弁を行ないました。

 ですが、その後、11月30日の総務文教常任委員会分科会での答弁においては「いったん「山口たいめい」氏の名前が記載された目録で受け取った上、その後、目録の氏名の変更を坂戸ガス株式会社にお願いしていること」「当初は、その山口たいめい氏の名前が記載された目録を持って、石川市長、小塚副市長らが山口たいめい氏とともに写真撮影を行なっていること」「その後、寄付申込者と寄付目録に相違があったとの理由で、画像データに関しては保存していないこと」、これらのことが判明しました。これらの事例は、市執行部もこの寄付金受け取りに関し、大いにやましさを感じていると思わせるものです。

 整理しますと、「会社名での寄付金だから抵触していない」と言いながら、当初は公職の候補者等の個人名を記載した目録で、堂々と寄付金を受けとっていること」、そして、「それが公職選挙法に抵触している恐れがあるとわかれば、坂戸ガス株式会社名に目録を差し替えさせていること」、さらに「個人名を記載した目録での撮影写真に関しては、寄付申込者と寄付目録に相違があるとの理由で、当初、記録用に撮影したとする画像データを保存していないこと」、これらは市として大いに問題ある寄付金であることを認識しての対応だと考えます。

 以上、市執行部の対応から考えても、公職選挙法第199条の3に抵触していないかという疑念、そして市民からも苦情や問い合わせの電話、メール等が実際に届いているという点からもわかるように、市民感覚からはかけ離れた寄付金受入れであるということ。この2点から、こういった問題のある寄付金を歳入として繰り入れすることは到底認められるものでありません。

 以上のことを申し述べ、議案第66号「令和3年度坂戸市一般会計補正予算(第3号)を定める件」への反対討論と致します。

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