美智子皇后

日本共産党坂戸市議団 新さかど

19年7月18日

【寄稿】改元に思う(2)

 美智子さんが皇室に嫁いだということで、途端に皇室を身近に感じるように思ったのは私ばかりではないだろう。戦争を同じ位置で体験したものだからということもあるだろうが、とにかく同じ仲間のような気がしてしまったのだ。

 美智子さんが新美南吉の児童文学『でんでんむしのかなしみ』を、懐かしく思っていると聞けば、たちまちみんなが読者になってしまう。この作品は、どのでんでん虫でもみんな背中に悲しみを背負っているというのである。

 美智子さんは、正に日本女性のイメージである。天皇もまた美智子さんが好きなのだ。退位を希望することばにも、美智子さんへの愛が込められていた。

 それでも美智子さんの苦労は大変なものであったろうと思ってしまう。テレビに映る美智子さんを見て私は詠んだ。

   語らずも その表情に 現れて 皇后という 位置の切なさ

 最後のことばに悩んだけれど、“切なさ”こそぴったりだと思った。自由に生きてもいい時代にあって一人の人間にこのような生き方を課してしまってよかったのだろうか。

 日本国憲法は、世界にさきがけているすばらしいものではあるが、天皇の項目を持っていることは、いかがなものか。

 美智子さんが本音を語ることは許されないのだろうか。切ないね。(続く)

元町 新井竹子

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