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お爺さんの戦争の話

14年10月4日

 今年も「平和のための戦争展」の準備をしました。8月になると思い出すことがあります。

 それは、8月の暑い日のこと、以前、清掃の仕事をしていた時、お宅に訪問し呼鈴を押しても出てこない。カギは開いているので、引き戸を開け「こんにちは」と声をかけると奥からお爺さんが「すまんねー、こんな身体だから」と手すりにつかまりながら一歩一歩確かめるように歩いてきます。近づいて分かったのですが、右腕は肘から失い、顔が傷だらけで、そのことによって失明しているのが分かりました。

 ご家族は出かけてしまったとのことで、作業について説明し取りかかろうとしたとき、身体のことについて話してくれました。

 「これは戦争で軍艦に乗ってる時にやられたんだよ。機銃の班長みたいな役割で『何時の方向撃て―っ』と。…対人爆撃で仲間は全員死に、自分は、機銃のカバーで助かったが、腰から上はぐちゃぐちゃで、内臓も飛び出て死体置き場。まだ息があるのを軍医が見つけ助かってしまった。今考えると助からないほうがよかったよ」

 私は、言葉が見つからなかったが「でも、生きて帰ってこられてご家族はうれしいのではないですか」と返すと、「こんな身体じゃ迷惑なだけだ」と一言。

 8月になると、あのお爺さんの戦争の話を思い出します。

鈴木ともゆき議員

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