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環境都市・文教常任委員会合同視察報告2

08/08/24

 7月16日(水)から18日(金)の3日間、坂戸市議会・環境都市と文教常任委員会合同の研修視察が行なわれ、日本共産党坂戸市議団からは、環境都市常任委員の吉岡しげき議員と文教常任委員の鈴木ともゆき議員が参加しました。研修に関する資料が必要の方は、吉岡議員鈴木議員までご連絡ください。

犬山市の教育改革

 愛知県犬山市の教育は、人格の完成をめざし、学校を「共生」「共同」の場と位置づけ、子供の豊かな人間関係を育み、すべての子供の学びを保障することにあります。そして、「自ら学ぶ力」を重要な要素と位置づけ、幅広い人間性と幅広い学力を育むことにより、人格の形成と学力の保証に勤めています。

犬山の子は犬山で

 犬山市では、「犬山の子は犬山で育てる」という考えのもと、少人数学級、少人数授業、TT、副教本作成・活用、2学期制の導入、学び合いの授業作りなど、様々な教育改革を進めています。

 少人数授業は、ひとつの学級を2つの集団に分け、それぞれの集団に一人ずつの教師が指導する授業形態です。一人ひとりに眼が行き届いたきめ細かな授業が実現できます。

 また、TTは、ひとつの学級に二人以上の教師が付いて複数で指導する授業形態です。少人数学級は、年度当初から少人数で学級編成を行ないます。

 副教本の作成・活用は、平成14年度実施の現行学習指導要領では、総合的な学習の時間の新設にともない、教科・領域の学習内容及び学習時間が2割から3割削られることになり、そのため、子どもたちの興味関心を駆り立てる教材が教科書から削除されることになり、学校現場から「これでは子どもたちの教科学習への興味関心を高めることは難しい」と声が上がり、犬山市の地域要素を盛り込んだ独自の副教本を作ることになりました。

 これらの副教本は、すべて犬山市内の学校現場の教師による手作りです。

全国学力・学習状況調査

 犬山市教育委員会は、平成19年度に引き続き、平成20年度全国学力・学習状況調査についても不参加を決定しました。

 その主な理由は次の2点です。

 ひとつは、犬山市には、全国学力・学習状況調査は必要ないということです。犬山市の教育は、人格形成と学力保障という犬山市の教育目標に照らして総合的に評価すべきであり、全国一斉の学力調査によって評価することはできません。

 もうひとつは、「各学校が、児童生徒の学力や学習状況を把握し、児童生徒への教育指導や学習状況の改善等に役立てる」ことは、国が行なう事柄でなく、市町村教育委員会の支援のもとに各学校が行う事柄だということです。「犬山の子は犬山で育てる」という教育理念のもと、犬山市の教育づくりに責任を果たしてきた犬山市教育委員会としては、この調査への参加は大きな方向転換を意味し、これまでの教育改革を継続・発展させていくことができなくなる可能性があるからです。

犬山市独自の教育を推進

 犬山市は、教育の地方分権のもと、市独自の教育を推し進めています。

 しかし、国は、教育基本法の改正、教育関連3法案の改正、全国学力テスト実施など、国主導の教育改革を急速に推し進めようとしています。

 「全国学力テスト」や旧来型の「道徳」教育などには、日々子どもと接している多くの教育関係者は懐疑的です。その抵抗を抑えるために、一省庁の施策を基本法にもとづく政府の計画に格上げしたわけです。

 しかも「計画」は、教育現場を従わせるため、「PDCAサイクル」を用いることを明記しました。

 もともと「PDCAサイクル」は、プラン(計画)、ドゥー(実行)、チェック(点検)、アクト(改善)の4段階で計画をスムーズに進める管理方法で、工場生産などに使われていたものです。それを教育に適用する狙いは何でしょうか。

文教常任委員 鈴木ともゆき

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